本日の福音書の最後に、次のように記されています。「悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた。」悪魔の誘惑はこれで終わりなのではなく、しかるべき時に再び悪魔が現れる、ということです。この箇所に着想を得て書かれたのが、「最後の誘惑」という小説です。悪魔が再びイエス様のもとに来たのは、イエス様が十字架につけられた時でした。イエス様は、危うく悪魔の誘惑に負けそうになりますが、最後には誘惑に打ち勝たれます。イエス様が守った、本当に大事なものは、十字架と復活の使命、つまり、人びとを赦し、愛し、永遠の命の希望を与える、というものでした。
誘惑が私たちから奪おうとする、最も大事なものとは、愛の交わりです。誰かを愛し、誰かから愛され、共に歩んでいこうとすることです。愛の交わりが奪われた時、誘惑のもととなった自分の小さな欲望が、いかにつまらなく、無用なものであったかを痛感するでしょう。
私たちは愛の交わりを失ってはいけません。悪魔の誘惑に打ち勝ち、愛の道を歩みましょう。