2020年12月13日日曜日

喜び、祈り、感謝    イザヤ書65:17―25 テサロニケの信徒への手紙Ⅰ 5:16-28 ヨハネによる福音書1:6-8、19-28

   



本日の洗礼者ヨハネの話し方は、随分と変わっています。自分のことを説明するのに、否定から入っているのです。「私はメシアではない、エリヤではない。」みんなの期待を全て否定します。否定した末に残ったものが、ヨハネの真の姿でした。それは、救い主の訪れを準備する、神様の言葉でした。

 私たちは、本当のことに出会うためには、今までの思い込みを否定する必要があるのかもしれません。イエス様は、「幸いなるかな貧しい人、神の国はあなたのもの」と言う言葉で始まる、山上の説教において、この世の富や権力を否定して、その向こうにある神様の救いを示されました。そして何より、イエス様は十字架と復活において、この地上で最も大切な肉体の命を否定して、永遠の命を示

されました。

 私たちも、自分自身を否定してゆくと、何が残るのでしょうか。そのヒントを、パウロが教えてくれます。パウロは言います。「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」パウロは様々な苦労をしました。人びとから批判され、迫害されました。今までの自分が全て否定されて、残ったものが、喜び、祈り、感謝だったのです。

 私たちの心の中には、様々な思いが渦巻いています。良い思いも悪い思いもあります。日々葛藤し、悩みます。けれども私たちの本質は、きっと、喜びと祈りと感謝なのでしょう。私たちの全てを否定しても、これらのものは残ります。喜びによって前向きになり、祈りによって神様とつながり、どのようなことにも感謝して歩んでゆきましょう。


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