ヨハネによる福音書とヨハネの手紙は、同じ作者、または同じグループによって書かれたと言われています。他の福音書とは少し違った内容と雰囲気を持っています。特に福音書の「初めに言があった」という書き出しでも分かるように、哲学的な表現が為されている部分もたくさんあります。けれども、ヨハネの文書が最も言いたいのは、「私たちはイエス様に出会った」という経験です。イエス様に直接会ったんだ、イエス様の愛をこの身に受けたんだ、という具体的な経験をとても大切にして、そこから考えを深めているのです。ヨハネが記す「光」という表現も、イエス様との交わりが、まるで光のように明るく、うれしく、愛と希望に満ちたものだったという経験が元になっています。私たちの経験でも、まるでそこに光が差したかのような、愛の経験があります。その時、そこにはイエス様がいてくださったのです。