2021年2月7日日曜日

迷い、祈る   列王記下4:18-21、32-37   コリントの信徒への手紙Ⅰ 9:16-23   マルコによる福音書1:29-39


 本日の福音書の少し前、洗礼者ヨハネは王によって捕らえられ、処刑の危機に瀕していました。正義が踏みにじられ、不義がまかり通る、それがこの時の状況でした。イエス様もヨハネのように捉えられ、殺されてしまうかもしれません。イエス様の不安は大きなものだったのでしょう。
 次の日の朝、イエス様はお祈りされました。後に弟子たちが異常に気付いて探しに来たほどなので、いつものお祈りとは違うほど、熱心で深い祈りだったのでしょう。これは、イエス様の悩みの深さを現わしているのでしょう
 イエス様は祈りの中で、迷い、悩まれたことでしょう。イエス様が、ご自分の復活についてご存じだったかは分かりません。けれども、十字架については、つまり命の危機については予感されていたことでしょう。宣教活動を一時中断して、身を隠そうかとも思われたかもしれません。けれども、祈りの後、イエス様が語られたのは、次の言葉でした。「近くの他の町や村に行こう。そこでも私は宣教する。」イエス様は、祈りの中で、不安や迷いを乗り越え、新たな道を歩み出す勇気を得られたのでした。
 私たちも不安に陥るときがあります。人生に迷うときがあります。その時、私たちは祈ります。私たちは、一人で祈るのではありません。イエス様が共に祈ってくださいます。イエス様と共に祈るとき、きっと私たちは、新しい道を歩みだすことができるでしょう。