壊される準備
出エジプト記20:1-17
ローマの信徒への手紙 7:13-25
ヨハネによる福音書2:13-22
本日のイエス様のみ言葉の中心は、「この神殿を壊してみよ。三日で建て直してみせる」だと思います。「神殿で商売をしてはいけない」ではなく、「神殿そのものを壊す」という宣言です。これは、神殿が目的ではなく、神殿を中心とした、当時の社会そのものを一旦壊し、新しい、より良い社会を造る、という神様の約束の宣言です。
社会でも個人でも、私たちはすぐに凝り固まり、自己中心的になってしまいます。物事は、放っておいても良くはなりません。不断の努力が必要です。社会でも個人でも、私たちは絶えず、古い自分自身を壊し、新しい自分を創っていかなければなりません。
自分の力で自分を壊すのは、至難の業です。よっぽど意識して努めないとできません。私たちは多くの場合、外からの出会いによって自分が壊されるのではないでしょうか。誰かからの言葉や、交わり、一つ一つの出会いによって今までの自分が壊されていきます。私たちにとって大切なのは、一つ一つの出会いを大切にして行くことだと思います。
イエス様の十字架との出会いは、最も強い力で私たちを壊していきます。イエス様の苦しみ、また同じように苦しむ人々の存在は、私たちを変えてゆきます。十字架の後には復活があります。古い自分が壊された後には、必ず新しい自分が作り出されます。イエス様の復活を信じ、自分が壊される準備を、希望をもって整えてゆきたいと思います。