愛は一人一人違う。
映画『A.I.』『アイ・ロボット』から
すると、父親は言っ
た。「子よ、お前はいつも私と一緒にいる。
私のものは全部お前のものだ。だが、
お前のあの弟は死んでい
たのに生き返っ
た。
いなくなってい
たのに見つかっ
たのだ。
祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当
たり前ではないか」。(ルカ15・
31-32)
先月、先々月と、ロボットが関係する原稿を書い
たので、
気になって仕方なくなり、
ロボットを真正面から扱っ
た作品を見てみまし
た。
「A.I.」は、愛という感情をプログラムされ
たロボットが、
人を愛し、その分、人からの愛を求めて、苦しい旅をする、
という物語です。「アイ・ロボット」は、
殺人事件の容疑者であるロボットを追う中で、
ロボットへの理解が深まっていくお話です。どちらも、
行き過ぎ
た技術開発に警鐘を鳴らしつつ、
未来への希望を語る作品です。
前者は映画界の巨匠ス
タンリー・キューブリックが、
後者はSF界の巨匠アイザック・アシモフが原作です。
大きなテーマを深く掘り下げてくれます。
ロボットを語る、というのは、人間を語る、
と言うことなのだと感じまし
た。
姿か
たちが同じ存在と向かい合うことで、
人間との違いは何かを見つめます。言い換えれば、
何があれば人間なのか、
人間を人間
たらしめているものは何なのか、という「人間の条件」
を探し求めているのです。結論として、前者からは「愛」を、
後者からは「信頼と思いやり」を見
出しまし
た。
愛と信頼と思いやり、これらが人間の特徴だとすれば、
それらに共通するものは何かと考えてみまし
た。それは、「
一人一人違う」ということです。相手を大事にして、
温かい関係を作り出す、というのは、みんな同じです。
けれどもその
ための愛し方や、信頼の示し方や、
思いやりの方法は、一人一人みんな違います。
愛は既製品ではないのです。
様々な情報が錯綜する中で、私
たちの人間関係は、「
こうあるべき」という圧力にさらされているように思います。
けれども人間は一人一人違います。愛し方も違うのです。
時には上手くいかない時もあります。その時には、謝り、反省し、
やり直すのです。相手を大切にする思いを揺るがさず、
具体的な愛し方は試行錯誤してゆくのです。
その中で少しずつ互いに愛し合い、
互いの思いやりと信頼関係を深めてゆくのです。
神様は全ての人を愛してくださいます。その愛し方は、
一人一人違います。私だけの特別な愛を、
神様は私に注いでくださるのです。