2022年5月29日日曜日

  使徒言行録16:16-34   ヨハネの黙示録 22:12-14,16-17,20   ヨハネによる福音書17:20-26

 



イエス様は祈られました。「全ての人を一つにしてください。」人類の一致は、緊急の課題です。

 イエス様は祈られました。「私たちが一つであるように、彼らも一つになるためです。」イエス様と神様は一つです。私たちは、一つになる、と聞くと、一心同体、以心伝心、一緒に居ると嬉しく楽しい、そんなイメージを持ちます。そのような意味では、イエス様と神様は、一つではありませんでした。イエス様と神様のお考えは、必ずしも一致しませんでした。イエス様は人々の苦しみを前に、神様の意志を問い、ご自分の十字架の運命に苦しみ、十字架上では「なぜお見捨てになった」と叫ばれました。けれどもイエス様が、決してやめなかったことがあります。それは祈ることです。祈りの中で神様の意志を問い、ご自分の思いを訴え、これからどうしていくべきかを考え続けられました。祈りは、神様との対話だったのです。

 私たちが一つになる、というのは、対話を続ける、と言うことなのかもしれません。対話をするためには、相手への信頼が必要です。信頼してゆくところから、対話が始まるのでしょう。

 とは言え、それでも信頼と対話は難しいものです。私たちは時に、憎しみのあまり我を失い、怒りに身を任せてしまいそうになります。相手を呪い、滅びを望んでしまいそうになります。信頼と対話、憎しみと呪い、その間にある苦しみのために、イエス様の十字架と復活はあるのかもしれません。十字架は私たちに、憎しみの内にあっても対話する勇気を与え、復活は、この苦しみの先に必ず平和があるという希望を与えてくれるのでしょう。

 信頼と対話を、決して諦めず、平和を求めていきたいと思います。