2020年4月1日水曜日

方々に飢饉や地震が起こる…多くの人がつまずき、互いに裏切り、憎み合うようになる…不法がはびこるので、多くの人の愛が冷える。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。(マタイ 24:7-13)


愛の祈り   映画『バイオハザード』から



 まず、新型コロナウイルスによって、罹患された方々に癒しを、逝去された方々に魂の平安を、不安や悲しみの内にある方々に神様の慰めとお導きをお祈りします。

 別の原稿を用意していたのですが、急遽変更しました。想像もしなかったほどの速さで感染が広がり、多くの方々が被害を受け、世界中の指導者たちが人々に自粛を呼びかけ、人影が失せた世界の町々の映像が流れています。まさに「未曽有の事態」です。

 私は「まるで映画のようだ」と思いました。SF映画には、世界が荒廃し、人影が無くなり、ごく少数の人々がサバイバルをする、という物語が、数多く作られています。この映画もそのようなものの一つです。ある巨大企業が、生物兵器として人工ウイルスを開発し、それを吸い込んだ者は恐ろしいゾンビになって人を襲いだし、主人公はゾンビと戦って倒してゆく、というお話です。人気ゲームが原作のアクション映画です。主人公は超人的に強い人ですが、自分一人で生き残ろうとはしません。弱ったり、不安に陥ったりしている仲間を助け、励まし支えながら、みんなで生き残ろうとするのです。困難な時ほど支え合う、というのは、私たちにとって普遍的に大切な生き方であると思います。

 映画は架空のものなので、楽しんで見れます。けれども同様の事が現実に起こると、私たちは不安になり、右往左往します。情報も錯綜し、何を信じ、どのように考えればいいのか分からなくなるような時すらあります。

 最も大切なのは、感染防止、健康と生活を守ることです。しかし、それと同時に私たちは、祈ることも忘れないようにしたいと思います。不安な時には、祈ることに思いが及ばない時もあります。このような時こそ、意識して祈りましょう。自分や家族の安全とともに、他者のため、特に苦しんでいる人、弱っている人への祈りを忘れないようにしましょう。

 聖書では、終末の混乱の中で、人々の愛が冷えると預言されています。けれども愛こそが、困難を耐え忍ぶ力となるのです。愛の祈りを続けましょう。


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