私が若いころ、当時勤務していた教会の関係で、地域の障害者自立支援施設の方々と交わりを持つことがありました。そちらに集う人々は、皆さん大変魅力のある人びとで、私は多くの障害者の皆さんやスタッフの皆さんと、楽しい交わりの時を持たせてもらいました。スタッフの中に、遠いところからこちらに来ている人が居ました。その人は、地元の障害者施設から、この施設について学ぶために来ていました。彼はとても明るく、楽しい人でした。その人が、ある日言いました。「私はここにきて、改めて、『人は、楽しむために生きている』と言うことを学びました。」障害者の人々が置かれている社会的状況は、決して楽なものではありません。時には、社会の中で戦うかのようにして、生活を勝ち取っていかなければならないこともあります。けれども、人間は、戦うために生きているわけではありません。悩み、嘆き、苦しむために生きているわけではありません。人間は、楽しむために生きているのです。人との交わりを楽しみ、自己実現への努力を楽しみ、衣食住を楽しみ、自分の人生を楽しむために生きているのです。障害者の人びととスタッフの人びとは、そのことを全身で示しておられました。神様は私たちに、喜びを与えてくださいました。生きる喜びを感謝し、人生を楽しみながら、歩みたいと思います。
京都聖マリア教会
