2021年11月1日月曜日

母親が自分の産んだ子を憐れまないだろうか。・・・私があなたを忘れることは決してない。 (イザヤ49:15)

世界一の幸せ者 映画『映画大好きポンポさん』から


母親が自分の産んだ子を憐れまないだろうか。・・・私があなたを忘れることは決してない。

(イザヤ49:15)


 映画製作現場を舞台にした映画と聞き、見に行きました。私は思春期の頃、映画製作の仕事に就きたいと思っていた時期がありました。みんなでワイワイガヤガヤと、一つの作品を作り上げていく姿に、あこがれていたのでした。高校の時、映画研究同好会に入り、仲間たちと実際に8ミリ映画を作り、とても楽しかったのですが、自分の才能のなさを痛感し、転向しました。

 この映画の舞台は架空の町ニャリウッド、映画製作が盛んな町です。ポンポさんはまだ若者でありながら、ヒット作を次々と世に放つ敏腕プロデューサーです。彼女の周りには、映画製作に情熱を持つ人々が集まってきます。

 登場人物たちが懸命に一つの作品を作り上げてゆく姿に、私は感動し、号泣しました。何よりみんな、楽しんで作っているのです。撮影には困難もあり、苦労も絶えません。撮影後も監督は、何日も部屋にこもって編集作業をします。時には徹夜もある過酷な作業です。けれども彼は心の中でつぶやくのです。「今、自分は世界で一番幸せな人間だ。」映画製作に集中できることを、最高の喜びと感じているのです。

 そうなのかもしれません。何かを創り出す、とは、喜びを伴うものなのでしょう。私は毎週子どもたち用のカードを描いていますが、こんな小さな物ですら、作っているときは大きな喜びを感じています。

 きっと神様も、喜びながらこの世界を創られたのでしょう。私は今まで、聖書の「天地創造」物語を、何の気なしに読んでいました。神様が、何らかの使命感をもって、何やら難しい顔をして、世界を創っておられるように想像していました。けれどもきっと神様は、喜んでおられたのでしょう。喜びながら世界を創り、被造物を眺めて喜びを新たにし、人間や動植物がこの世界で懸命に生きている姿を、大きな喜びをもって見つめておられるのでしょう。もちろん時には、私達の罪深い行いに怒りを覚え、厳しく罰せられることもあります。それでも神様の喜びは消えることなく、人々が悔い改める時には喜びをもって赦されるのでしょう。

 私たちは、神様の喜びによって創られました。私たちの本質は喜びなのです。自分と互いの存在を喜び、この世界がもっと喜びで満たされるように、愛の道を歩みたいと思います。